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超・怖い話体験談、その5

東京に出て来て1、2年。
オレが、19歳か20歳の頃だった。
オレは、とあるビルの3階の食堂街でバイトをしていた。
そのバイトが終わった11時過ぎに、先輩とふたりでエスカレーターを降りていくと、吹き抜けの地下1階に数人の人がいた。
警察関係っぽい。
先輩に何かあったのかと訊いたら、自殺か事故か分からないけど、人が落ちて亡くなったという。
それを横目で見ながら帰ったその夜中。
オレは4畳半の自分のアパートの部屋で寝ていた。
頭の方は窓と本が積まれていて、右にテーブル代わりのこたつ、左に本棚、足下に押し入れ。
そんな感じで寝ていた。
まだ眠りには落ちていなかった。
ごろごろとしていたら、急に低いうなり音がして来た。
ブウ〜ンと、気圧が変わったかのように、変な感じが耳から頭の中に入って来る。
これは、金縛りが来る合図だ。
と思った瞬間、両足を誰かにガッとつかまれた。
うわっと思った瞬間、ぐわ〜っと体が引っ張られた。
足下の方に、すごい勢いで、がーっと引っ張られる。
うわわわ。
慌てるが、体は金縛りで動かない。
目も開けられない。
でも、足を引っ張っている血だらけの男が見えた。
目を閉じているのに、足下が見えて、足を引っ張る男が見える。
それは、さっきの落ちて亡くなった人だ、と瞬時に分かった。
なぜか分からないけど、分かってしまった。
ズルズルと引っ張られて、このままだとやばいと思ったから、お経を唱えようとした。
観自在…。
そこまでいくと頭の中が真っ白になって、続きが出て来ない。
オレはお経は全部覚えていて、最後まで唱えられるはずなのに。
出て来ない。
やばいやばいやばい。
頭が真っ白だ。
助けて!守護霊様!御先祖様!
そう頭の中で叫んだ時だった。
金縛りが解けて、がばっと起き上がれた。
オレは確かに何メートルも引っ張られたはずだったのに、ふとんの中で、少しもズレてはいなかった。
もちろん、足下に何メートルも引っ張られるほどのスペースなんてなく。
誰もいなかった。
あの亡くなった人が、ただ通りすがっただけのオレの所に来たのだろうか?
それは分からなかった。
ただ、ものすごく怖かった。
引きずられたのは、オレの幽体か霊体だったのかもしれない。
あのまま引っ張られて行ったら、どうなっていたんだろう、と思うと、ぞ〜っとした。

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