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超・怖い話体験談、その6

東京に出て来て初めて住んだアパートは4畳半だった。
仮にS荘としておこう。
そこから2回引っ越して、6畳のアパートで暮らしていた。
仮にB荘としておこう。
そこで初連載が決まり、仕事をしていたのだが、いかんせん狭い。
で、不動産屋さんに部屋を探してもらっていた。
2部屋ある仕事の出来る部屋。
そろそろ連絡が来るかなあ、などと思いながらふとんの中で、ごろごろしていた。
多分真夜中だった。
突然、耳鳴りがした。
低いうなり音が耳から入って来る。
うわっ、これは、と思った瞬間。
金縛りが来た。
体が動かない。
目も開けられない。
でも、見える。
天井が見えていた。
自分の部屋の見慣れた天井が見えていた。
そこに黒いもやが現れた。
ゆっくりと黒いもやは大きくなる。
と、ドスンと体の上に何かが落ちてきた。
重みが体の上にかかる。
何かが体の上に乗っているのだ。
柔らかくて、重みがあるもの。
目を閉じているのに、目の前にあるものが見えてしまう。
それは。
真っ赤な唇だった。
髪の長い女の人の顔が、オレの顔の前にあり、真っ赤な唇だけがはっきりと見えた。
そして、その唇は。
「見つけた」
そう呟くとにいいと笑った。
そこでオレは気を失ったみたいだった。
気が付いたら朝になっていた。
気持ち悪いなあ、と思った。
その日の午後、不動産屋さんから電話があり、物件を見に行ったら、そこは広くきれいに改築されたS荘だった。
え?S荘?
そこに呼ばれたように、また帰って来てしまった。
「見つけた」って言うのは、アパートの事だったのか、オレの事だったのか。
それは分からなかった。
で、引っ越しをして、そこで仕事をしながらアシスタントにその話をした。
アシスタントは怖がりながら帰って行った。
その次の週の仕事の時。
アシスタントが真っ青な顔をしてやって来た。
彼の所に、話をした女の人が出たらしい。
ドスンと落ちて来て、ニヤリと笑ったと言う。
まさか、この話を聞いた人の所に行くのか?この女の人は。
オレの所には、あの後は現れてはいないから分からないけど。
今夜あたり、君の所にも…。

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